私がかなり昔に青物横丁という京急の駅から5分位のビルの2階でシステムの開発会社で働いていた時の話です。
仕事の初日に初めて青物横丁という駅に着き改札を抜けエレベーターで下に降りる時に駅の横に一面に広がる
お墓を見ました。駅に面してお墓があるなんて珍しいなあ。と思いました。
何日か通ううちに、このビルのオフィスで怪奇現象が起こるという噂を聞きました。
納期の関係で徹夜をするプログラマーの社員が何人かいたのですが誰もいないオフィスで真夜中に仕事を
していると誰もいないのに、突然コピー機が動き出したり、誰もいない席のパソコンの電源が
いきなり入ったり、その社員しかいないはずなのに廊下から足音がしてきたりという内容でした。
怖いなぁ!とは思いましたが、あまり信じていませんでした。
そんなある日、2階のトイレが混んでいたので私は1階のトイレに行く事にしました。
電気が消えていたので、電気をつけて、個室のトイレが2つありましたが何故か私は1つ目のトイレを通り過ぎ
2つ目のトイレに入りました。と、その瞬間トイレットペーパーをくるんでいる紙を丸めてボールの形にした物が
隣のトイレからポーン、ポーンと2つ投げ込まれてきたのです。通り過ぎた1つ目のトイレには誰も居ないはずで
電気も消えていたのに、誰かが隠れ潜んで居たのだと、その瞬間、私は思いました。
私は恐怖のあまりに体が固まり声も出ませんでした。誰かが居るということは、トイレの壁を乗り越えて
私の居るトイレに入って来ると思いました。この、トイレを出ようと思いましたが、1つ目のトイレを通過しない
とこのトイレからは出られない事を考えたら、どういう動きをしてよいかわからなくなり、「誰かいるの?」
と私が問いかけると返事も何も物音一つ、しないので、私はトイレを出て行ってくれることを待ちましたが
足音も全くしないしトイレを出る時の扉の音も、本当に全く音がしないので私は怖くてトイレを出ることが
出来ませんでした。
20分位の間だったでしょうか。その間、全く物音がしないので、私は勇気を出して、そのトイレを逃げ出し
急いで職場に戻りました。職場の人は30分以上も戻ってこないので心配していました。私は急いで
1階のトイレでの出来事を話しました。すぐに、職場の男性4人位で、1階のトイレに様子を見に行きました。
トイレに置いてある白い金属の汚物入れが投げられて散らかっていました。
それも驚いた事ですが、トイレの中に小さな窓があり、窓には「開ける事を禁ずる」と書いた
紙が貼ってありました。
でも、会社の人達がここが怪しいと、思い切ってその窓を開けると、目の前にあたり一面にお墓が
広がっていました。会社が入っているビルの真隣がお墓地だったのです。
後から考えると、あのトイレットペーパーをくるんでいる紙を丸めてボールの形にした物を
2つ投げてきたのは、人間ではなく、霊の仕業だったのかもしれないと思います。
でも、汚物入れが、あんなふうに散乱していたということは、誰かが潜んでいたんだという
意見もあり、それ以来、1階のトイレの使用は禁止になりました。
その日から、数日後に会社ごと蒲田の建設途中のビルに引っ越すことになりました。
この話は家族以外には話していません。
私にとって、なかなか忘れ難い怖くもあり不思議な出来事でした。
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